血よりも強く 序章
0* 手紙
長い苦しみだな。
そうだろう?
この国は冬すら暖かく、故郷は夏まで雪の中だ。
お前はこの地でどう生きているだろうか。
もし、お前があの赤の色を忘れ、日々を安穏と過ごしているとしたら、これほど哀しい事は無い。
家族に忘れ去られる事以上の苦痛がこの世に存在するだろうか?
その苦痛すら凌ぐ幸福がお前に降りかかる事などあるだろうか?
そして、俺は確信している。
お前は生まれながらにあの赤を背負っていることを。
俺と同じであることを。
俺はまだ、亡くなってしまった故郷にいる。
暖かいこの地で、雪の匂いにとり憑かれている。
自分が生きているのか死んでいるのか、それすらも純白に浮く赤よりも不確かだ。
会いに行くよ。
失われてしまったものを取り戻しに行く。
俺に憑くつまらない夢を殺しに行く。
血だけが、俺とお前の存在そのものだったろう?
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